100に1人程度の割合で、射出した精液の中に精子が1つもない方、つまり無精子症の方がいるとされています。

当院では、複数回の精液検査を行い、見つからない場合に無精子症と診断をしています。

その後、無精子症の場合はホルモン検査、精巣超音波検査や遺伝子検査などを行い、原因を絞り込み、手術時の精子の回収率を予測します。

盛岡院における無精子症の方の治療の流れといたしましては、必要な血液検査を盛岡院で行い、仙台院に紹介し、手術を仙台院で実施し、得られた精子・精巣組織を凍結保存します。

その後、凍結組織を盛岡院に移送し、顕微授精(ICSI)を行なうという流れとなります。

無精子症の種類と手術

無精子症は大きく分けて2種類あり、閉塞性無精子症(OA)と非閉塞無精子症(NOA)とに分けられます。

閉塞性無精子症(OA)

OAというのは「精子は造ってはいるが、通り道が詰まっていて精子が出ない」という状態です。ケガや感染などがきっかけで詰まってしまうこともあります。

OAにはSimple-TESEという方法での対応が可能で、実施時の精子回収率は95%以上です。

非閉塞性無精子症(NOA)

NOAというのは、精子を造っていない、もしくは非常に少なくて出てこないという状態です。

ホルモン値を測るとFSHと呼ばれるホルモンが高値となります。

染色体や遺伝子検査で異常が見つかる場合もあります。

NOAにはMicro TESEで対応できる場合があり、精子回収率は25-75%とされています。

ご状況に応じて大きな差があるため、詳細は泌尿器科担当医師に診察時にお尋ねください。

当院の実績

1071例 1996年-2020年

 

 

 

 

 

 

 

 

閉塞性無精子症の方には主にSimple-TESE(緑色のグラフ)が適応となり、非閉塞性無精子症の方には、Micro-TESE(MD-TESE:青色のグラフ)が適応となります。

以下は、当院の培養士スタッフが欧州生殖医学会(eshre) にて2017年に発表している内容ですが、無精子症の患者さんの妊娠率が最も高まるのは、新鮮な精子と新鮮な卵子の組み合わせであることが分かっています。

 

 

 

 

 

こうした状況も踏まえて、常に当院では夫婦一緒の治療を実践しています。

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