クラミジア感染症について

今回はクラミジア感染症についてお話ししたいと思います。

クラミジア感染症は性感染症の中で最も頻度が高い感染症です。無症状であることが多いですが、帯下の変化や不正器出血、下腹部痛の症状が見られることもあります。

クラミジア感染症は性行為により子宮頸管、子宮内膜、子宮付属器(卵管)、咽頭などへ感染が広がり、不妊症や異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因になると言われています。実際に不妊原因の30%が卵管因子と言われており、その半数以上にクラミジア感染が関与していると考えられます。

感染すると腹痛を伴う急性腹症を起こし救急搬送されることもありますが、一部は持続感染となり、不妊症の原因となる卵管閉塞や卵管周囲の癒着などを引き起こすことがあります。感染後まもなく発症することもあれば、数ヵ月後、もっと後になってから発症することもあります。卵管炎は無症状であっても受精卵の通過障害や卵管狭窄、閉塞による受精卵の輸送障害や卵管周囲癒着による卵管の可動性の障害を起こすことがあります。

クラミジア検査の方法として、女性は採血での抗体検査と、子宮頚管の分泌物をとっての抗原検査があります。当院では、女性のスクリーニング検査(採血)でクラミジアの抗体検査(IgA、IgG)を実施しています。IgA抗体は初期感染と再感染時に上昇するため、活動性の抗体であり、IgG抗体は感染後、約1ヶ月後から上昇し数年持続するため既往感染の視標となるものです。抗体検査で陽性となった場合は、現在、もしくは過去の感染があったという事になります。

治療としては、女性側が治療を行っても、その後の性行為によって再度パートナーへ感染させてしまう可能性があるため、お二人で抗生剤を内服していただきます。

妊娠中のクラミジア感染においては、絨毛羊膜炎を発症し流早産の原因となったり、新生児肺炎や結膜炎などの産道感染を起こすこともありますので、検査で陽性となった場合にはきちんと抗生剤を内服していただくことが必要です。

クラミジア検査で陽性となれば驚かれるかたもいらっしゃると思いますが、今後の妊娠へ向けてご自身の体のことを知り、検査・治療へ進んでいくことは大切なことであると思います。検査や自覚症状等、何かご不明やご心配なことがありましたら、いつでもスタッフへお声がけ下さい。

                              仙台看護部 海藤珠恵

参考文献:
不妊・不育症診療 パーフェクトガイド、クラミジア感染症、産婦の実態62:471-477 2013
日本生殖医学会(編):生殖医療の必修知識、日本生殖医学会 2014
日本性感染症学会:性感染症 診断・治療ガイドライン2011. 日性感染症会誌22:60-64、2011

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